以前取り上げたビジネスを変える「ゲームニクス」 読了。
デバイスの変遷からUIデザインについて語られているのでゲーム史の読み物としても楽しかったです。
巻末の推奨するデザインがとても共感できたので紹介します。
クリエイターでなくてもゲームブログ書いてる人全員が読むとためになると思います。
なんならここだけでも読む価値あります。
推奨するデザイン10項目
- ハードウェアとソフトウェアの連携
- ボタンやアイコンの数を絞る
- ボタンの意味をモードによって変更しない
- キャンセルボタンを省略しない
- アニメーションや操作音を軽視しない
- 操作のリズムを重視する
- 同時に複数の選択を強要しない(1つに画面で1つの選択
- チュートリアルを軽視しない
- 学習機能を取り入れる
- デジタルっぽさをなくす
- ハードウェアとソフトウェアの連携
レスポンスや操作性はハードの性能とも直結しているので、ハードとの連携や入力デバイスに応じた設計が重要。
- ボタンやアイコンの数を絞る
特に洋ゲーでかなり配慮を感じる分野です。
日本のゲームは基本的にごちゃっとしがちです。
- ボタンの意味をモードによって変更しない
タッチ操作でもあります。右側に決定系・左側にキャンセル系アイコンという配置が別モードだと唐突に左側に決定系・右側にキャンセル系のアイコンがあるとか。
- キャンセルボタンを省略しない
ぱっと例が思いつかないけど、操作しづらいと感じるゲームにはこの要素m、多い気がする。
- アニメーションや操作音を軽視しない
配慮の行き届いているUIにはこの要素がしっかり含まれている印象があります。
アニメーションは軽視というより単純にコストがかかるのかもしれないですね。
操作音に関しては、いまだに軽視されているゲームは多いです。どちらかと言えば、“そこには効果音が必要だ”という発想が足りてない場合が多い気がします。入れるだけでも違うんですけどね。
- 操作のリズムを重視する
ローグライクや死にゲーなどリトライ性の高いゲームでこの要素があると俄然いいゲームになりやすいと思う。
最近だとセレステとか抜群にいいです。
- 同時に複数の選択を強要しない(1つの画面で1つの選択
- チュートリアルを軽視しない
知識が無くても始められるという、ゲームの最も素晴らしい進化だと思います。
ユーザーにチュートリアルだと悟られない事が優れたデザインなのだそうです。
最近のものだとSEKIROが抜群に優れていると思います。ネタバレになるから詳しく言えないですけどストーリーテーリングとチュートリアルが見事に融合していました。
- 学習機能を取り入れる
ゲーム終盤でしか使わない機能を最初に教えられても忘れてしまいますしね。
ベーシックな所が分かってきたあたりで次第に機能が増えるのはアクションなんかでは割と分かりやすいですね。
- デジタルっぽさをなくす
上記の10選、レビュー書いてる人なら分かると思うんですけど、どちらかというと減点方式のレビューの際に目に付く項目なんですよね。
この本ではゲームニクスを日本のおもてなし文化と絡めて語られています。
日本のゲームのインターフェイスや夢中にさせる仕組みが強いのは、思いやりの気持ちから来ているからだと述べられています。
Amazonとかで顕著だけど、日本人のレビューが減点方式に偏りがちなのはこういう「あって当然」的なおもてなし文化が関わっているのかもしれない。
とはいっても至れり尽くせりをユーザーが要求するのは、尖ったゲーム性が損なわれる環境だと感じます。
多様性のあるゲームを遊びたいゲーマーにとってはあまり良くない状況でしょう。
いいデザインに対して「あったらありがたい」という加点方式の気持ちでゲームをプレイしていく気持ちが大切なのかもなぁと思う今日この頃。
さりげない思いやりに気付けるようなレビューを書いていきたいものです。かしこ。
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