実績測定と測定への執着がもたらす闇を考える 〜測りすぎ なぜパフォーマンス測定は失敗するのか?

2020年12月16日水曜日

読書

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測りすぎ――なぜパフォーマンス評価は失敗するのか?
ブログを書いたりバズツイートを目指したりアフェリエイトをやっている人なら同意してもらえると思うが、数字という表現には魔力がある。

以前、紹介した『沈黙のwebライティング』の中にも、クリックしたくなるタイトルの要素として「数字の魔力」を使うというテクニックが挙げられていた。実績を示す根拠として強い数字を使うのだ。

もちろんこの数字は勝手に捏造していいわけではない。どこかで実績を測定された結果を探してくる必要がある。

探してみればわかるが、都合のいい数字というのは意外と転がっているものだ。欲しい実績の測定結果は至る所に公開されている時代なのだ。

そういう数字が氾濫し、手軽に手に入り公開される。本書では測定された説明責任の時代、測定された実績に対する報酬の時代と表現している。

本書の要旨は、実績を測定する事を批判するものではない。測定の結果起こる、好ましくない結果について議論し、改善を提案するための本だ。

この測定の結果起こる、好ましくない結果について著者は測定基準への執着と表現されている。

この執着が起こってしまう原因を
説明責任、実績基準、透明性への美徳
という観点から解説し、問題が起きている実例を業界別にケーススタディとして紹介している。
紹介される業界は上記の美徳の最も影響力が強い医療をはじめとして、警察・教育・軍など。

共通するポイントとしては、実績を測るのに確かに測定は役に立つが、報酬や懲罰の根拠の使うと必然として情報が歪んでいくというところだろう。結果としてパフォーマンスが落ちる。

また能力給の成立過程からテイラー主義により測定・管理主義が強化されてきた背景を、過去から今日に至るまで丁寧に追っている。

一応、執着に陥らないための測定基準のチェックリストが巻末に記載されているがこれはあまり筆者の主張の本質ではないように思う。

1部哲学的な側面を含みながら、あらゆる要素において拗れてしまいがちな測定基準を、当事者の間において今一度議論するための問題提起の1冊と言えるだろう。

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