タイツ姿の女性をモチーフにしたキャンペーンイラストが性的だとして、アツギが炎上した事は記憶に新しい。そんな炎上リスクが日を追うごとに増してきてる企業アカウントの運営について興味が湧いたのでこちらを読んでみた。
企業アカウント6社にインタビューした雑誌記事をまとめたもの。各社は以下の通り。
- セガ
- 東急ハンズ
- キングジム
- 井村屋
- タカラトミー
- タニタ
気持ち程度に座談会や解説で体裁を整えているが、目次のつくり方も手を抜いていて網羅性や体系的な要素は薄いのが残念。シンプルな雑誌の切り抜き本だ。質問事項や見出しくらいは目次に書き出しておくべきだった。かなり見返しにくい。
肝心のインタビュー内容は当たり外れがあるが興味深いエッセンスも多かった。
リスクマネジメント運営
リスク面は東急ハンズが上手くまとめている。
炎上時に重要なのは3要素。
- 迅速性
- 誠実性
- 透明性
またリスクのある話題を5sと名付け、そもそも触れるべきではないという。
5Sとは
- 政治
- 宗教
- 差別
- スポーツ
- セクシュアル
他のアカウントでも触れられているが5Sが最も網羅的だった。
マスメディアとの差別化
ほぼ共通しているのはマスとしてのメディアとに差別化。
量よりもファンを軸とした質の関係性の構築だ。
まずはファンとの個々の関係性の強化。そしてファン同士の交流によるコミュニティとしての関係性へ。
ファンを育て、コミュニティとしての強度を上げることによってエンゲージメントを高めていく方向性だ。
各社に共通して雑談的なツイートが6-8割を占める事が、その戦略を端的に示している。宣伝が第1ではこの関係性は難しいだろう。
適切な距離感の準備
そうなると必然的に「中の人」の顔、人間としての人となりを見せる事に繋がるが各社重要視しているにはファンとの距離感・線引きである。この話題はほぼ全ての企業において言及されていた。それが前述の炎上リスクマネジメントや避けるべき話題などを把握しておく事に繋がるのだ。
面白いツイートや意図的なバズによるファンの獲得というより、適切な距離感で「どこまで攻めてどこから引くか」を理解した運営を続けることが関係性の構築に繋がっている様だ。数字は継続運営により結果的についてくる、といった印象。
セガの中の人の言葉を借りればが言うように、公私の境目が曖昧になり、アカウントを私物化したり情熱が暴走したり、第2世代の過ちは過去数年散見された散見された。現在生き残っているアカウントはそういった淘汰の時代を生き延びた世代なのだろう。アツギの例で言えば典型的な第2世代の過去のニュースを見ている様だった。失った信用を取り戻せるかどうかは適切な距離感とファンに寄り添えるかどうかにかかっているのだろう。
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