数学的なイメージがあるかもしれないが(実際に無関係ではない)、内容に数式が出てくるわけではない。
前提を正しいとした場合、命題に論理的な破綻がないかどうかを突き詰める学問が論理学的考え方。その力を養うためのトレーニング本である。
読み切るのにかなり体力を消耗したが、文章自体は分かりやすく読む分には難解さを感じる事はないだろう。ただし論理をしっかり咀嚼しながらとなるとそれなりの覚悟がいる。
論理学といっても難しい数式が出てくるのではない。ここでいう論理学とは、文章を論理の流れを明確に掴みながら理解する事を言う。その上で議論するために批判的に読む力を養っていくドリル形式になっている。
大まかな流れは以下の通り。
7種類の接続表現の整理
議論の骨格を掴むトレーニング
根拠と導出を理解する(論証)
演繹と推測
論証を批判的に考える
最終章の論理の流れを批判的に読むのが本書の目的でここを読めばこの本を読んでどんな力が得られるのかが掴めるだろう。
小難しい文章の趣旨を掴んでツッコミを入れられる力と言い換えてもいい。
もちろん本書で言及されているように批判とは相手の立てた主張を否定することを言うだけではない。主張の立て方、論理の流れについてお互いに検証しあい主張の質を高めていく事も含まれている。この事を批判というのだ。
論理学についてはブログを続ける上で文章の質を高めていきたいという思いがあったので読めてよかった。論理的に文章の主張を噛み砕いていくための基礎的な土台を建てられたという印象だ。
とは言っても、知識があればレベルが上がるというスキルではない。反復によるトレーニングが必要な分野である。今後の読書時に論理の流れを意識しながら読解力を高めていきたい。
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